今は「働き方」や「もてはやされる技術」が大きく変化している時代です。
そのため自身の就職・転職、あるいは我が子の将来を考えたときに、「将来性がある仕事とは何か」が気になる人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、お仕事をしている男女500人を対象に「将来性があると思う仕事」についてアンケート調査を実施しました。
「将来性がある仕事に就くために必要なスキル」についても聞いています。
- 調査対象:お仕事をしている人
- 調査期間:2025年12月12日~15日
- 調査機関:自社調査
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 有効回答数:500人(女性351人/男性149人)
- 回答者の年代:20代 24.2%/30代 36.2%/40代 24.4%/50代以上 15.2%
今の仕事に将来性を感じる人は40.2%

お仕事をしている500人に「今の仕事に将来性を感じているか」を聞いたところ、「とても感じる(11.4%)」「まあ感じる(28.8%)」と答えた人が合わせて40.2%で、半数に至りませんでした。
つまり、ご自身の仕事の将来性について、不安を抱えている人のほうが多いのですね。
現在では、技術が進歩して産業構造の変化や「人の仕事をAIやロボットが代替する」という現象が起こっています。
そのため自分がやっている仕事に将来性を感じず、「いつかなくなるかも」「減少していくかも」という不安を感じている人が多いのも納得できます。
将来性があると思う仕事は「看護師」

「将来性があると思う仕事」を聞いたところ、1位は「看護師(20.6%)」でした。
2位は「介護職(12.4%)」、3位は「医師(12.2%)」となっています。
医療系や福祉系の職種が多くランクイン。
いわゆるエッセンシャルワーカー(人々の生活や社会機能を維持するために欠かせない職種)ですね。
「AIに代替される可能性が低く、将来も安定したニーズが見込める仕事」とも言えます。
またITやAI分野のエンジニアの将来性を評価している人も目立ちました。
1位 看護師
- 社会に必要不可欠な職業だから、景気や時代の変化に左右されないと思います。最近は飲食店などでロボットやAIが増えてきているものの、医療は人間にしかできない仕事なので、高い需要があると思います(20代 女性)
- AIやロボットでは真似できない、人の手だからこその「あたたかい療養生活支援」ができると思います。高齢化社会において必要な職業だと思います(30代 女性)
- 高齢化に伴い看護を必要とする人が増えている。また患者一人ひとりに寄り添いきめ細やかな対応をするのは、人間でないと難しく、AIに奪われにくいと思うから(40代 女性)
1位は「看護師」でした。
看護師が将来性のある仕事として評価された理由としては、「AIでは代替できない対人業務であること」と「高齢化の進行」があります。
看護においては、患者さんの状態を細かく観察し、表情・しぐさから体調や変化を察知する力が求められます。
また看護師側からのさりげない声掛けで、患者さんの不安が取り除かれたり、治療への満足度や積極性が高まったりすることも。
こういった「寄り添うケア」は、技術が進んでも人にしか担えない部分が大きいと言えます。
高齢化の進行により医療ニーズは今後も増える見込みであり、「将来性が高い」と評価されました。
2位 介護職
- AIでは担えない部分が多い仕事だと感じるから(20代 女性)
- 年々高齢者が増えていくので、需要はかなりあると思う。「短時間の出勤」「週に2日」などさまざまな働き方に対応ができれば、働く側も企業もプラスになると思う(40代 女性)
- 現時点だと収入面での問題はあるが、高齢化社会であることを踏まえると、需要のある業種だから(50代以上 男性)
2位は「介護職」でした。
介護職も看護師同様に「AIで代替できない仕事であること」と「高齢者人口の増加」を理由として、将来性が高いと考えられています。
身体介助や見守りについてはロボットやカメラで代替する研究も進んでおり、メンタルケアを目的にペット型ロボットを導入している施設などもあります。
ただ「相手の気持ちをくみ取った双方向のコミュニケーション」「相手の様子から、心情や体調を推し量る」といった関わりは、やはりAIやロボットによる完全な代替は難しいもの。
高齢者やハンディを抱える人の生活を直接支える仕事として、介護職については今後も需要が続くと考えられます。
3位 医師
- 病気がなくなることはなく、結局人の手でしか診断できないと思うから(20代 女性)
- 触診など直接触れる必要があり、現実世界に出てこられない、AIには絶対にできないと思うから(30代 女性)
- 高齢化になるので、病院に通う人が増えます(40代 男性)
3位は「医師」でした。
医師は、病気がなくならない限り必要とされ続ける職業です。
高齢化が進む日本では、通院や治療を必要とする人が増え、医師の役割はますます重要になります。
診断や治療にAIが活用され始めているものの、「最終的な判断」「患者との対話」「触診」などは医師の手に委ねられており、診断の最終的な責任も医師が負います。
高度な専門性が必要で、AIを活用するにしても医師が最終的な判断を下すことから、将来性にわたりニーズの高い職業です。
4位 ITエンジニア
- 今後どんどんアプリ開発など進むと思うので(20代 男性)
- 大企業だけでのDXでなくなってきて、中小企業でもシステム化が進んできたので、需要がある(30代 女性)
- 最近は日々新しい技術が出てきて、ITに関連した仕事をしていないとついていけないと感じる。サービスを受ける側では、時代についていけない(40代 男性)
4位は「ITエンジニア」です。
近年は大企業だけでなく、中小企業でもDXやシステム導入が進み、IT人材の需要は広がっています。
「ITエンジニアが足りない」という危機感をもつ企業も多く、優秀な人材は奪い合いになり、フリーランスで高収入を得ているエンジニアもいるほど。
新しい技術が次々に生まれる分野であるため、学び続ける姿勢は必要となる一方で、仕事がなくなりにくいのも特徴です。
社会全体がデジタル化する中で、ITエンジニアは「支える側」として欠かせない存在になっています。
5位 保育士
- AIが発達してきても、保育の仕事は人にしかできないから(20代 女性)
- 子どもがいる限り、なくならない職業。責任の所在などの関係で、AIに取って代わられる心配がない。少子化の問題はあるが、共働きがスタンダードになりつつあるため、 保育士の仕事はなくならないと考える(30代 男性)
- 今現在はひどい保育士不足。低賃金だが、少子化が進んで保育・保育士の質が上がり、質向上とともに賃金も上がってくると考えるから(50代以上 女性)
「保育士」が5位です。
保育士は、AIに代替されにくい職種である点が将来性につながっています。
子どもの成長を見守り、感情や個性に応じて対応する仕事は、AIやロボットには難しいものです。
少子化は進んでいるものの、共働き世帯の増加により保育ニーズは依然として高い状況となっており、保育士の人手不足も深刻。
さらに最近では一般的な保育園だけではなく「ベビーシッター」「児童発達支援施設のスタッフ」などとしても保育士が活躍しています。
6位 AIエンジニア
- AIの需要増に伴い、AIを扱う人材の需要も増加すると思うから(30代 女性)
- AIなどの技術が社会インフラとなりつつあり、その「開発」「運用」「セキュリティ対策」を担う人材の需要は非常に高いから(40代 女性)
- AI技術、とくにディープラーニングや生成AIは、今もものすごいスピードで進化しているから(50代以上 男性)
6位は「AIエンジニア」でした。
生成AIやディープラーニングの進化により、AI技術は社会インフラの一部になりつつあります。
そのためAIの開発やセキュリティ対策を担う人材は今後も必要とされます。
つまりAIエンジニアの優位性は、「AIに仕事を奪われないどころか、AIを支える側になれること」にあるのですね。
技術の進化スピードが速いため専門性の更新は求められますが、需要が継続的に生まれて将来性も高い分野です。
7位 薬剤師
- 医薬品の専門家は今後も必要だと思うから(30代 女性)
- いくらAIが進んでも、対人業務はなくならないと思うから(40代 女性)
- 高齢化社会が進展する中、医学の進歩でより価値の高い薬が開発され、医療を支えていくと思うため(50代以上 男性)
7位は「薬剤師」です。
薬剤師は医師の処方箋に基づいて調薬や服薬指導を行う、医薬品の専門家です。
調剤業務の一部は「錠剤自動分包機」などを活用した自動化が進んでいるものの、患者への服薬指導や副作用の確認など、対人業務も欠かせません。
高齢化が進んで複数の薬を日常的に服薬する人も増える中、「薬の飲み合わせ」「患者さんの体質の理解」など、医薬品を正確かつ安全に使うための専門知識は重要です。
医療分野で専門性の高い仕事ゆえに、将来性を評価される職種となっています。
将来性のある仕事に就くために必要だと思うスキルは「コミュニケーション能力」

「将来性のある仕事に就くために必要だと思うスキル」を聞いたところ、1位は「コミュニケーション能力(26.2%)」でした。
2位「AIツールを使いこなす力(16.8%)」、3位「適応能力(13.8%)」、4位「資格の取得(10.4%)」が続きます。
回答からは「どの仕事にも活かせる力」と「時代に合わせて学び続ける姿勢」を重視する傾向が読み取れます。
「AIツールを使いこなす力」や「適応能力」が上位に入っている点からは、変化の速い社会において「新しい技術を学んで取り入れる柔軟さ」が重要視されているとわかります。
1位 コミュニケーション能力
- 業務をシステムに落とし込むためのコミュニケーション力(30代 女性)
- 顧客の要望を引き出すコミュニケーション能力。欲しいと思わせる提案力(40代 男性)
- 何をおいてもコミュニケーション力。最終的に人とのやり取りは必ず発生する(50代以上 女性)
1位は「コミュニケーション能力」でした。
コミュニケーション能力は、職種や業界を問わず必要とされるスキル(ポータブルスキル)です。
産業構造や人口構造が変わっても、「人と関わる力」は価値を失わないと考えられていることがわかりました。
理由としては、どんな仕事でも最終的には「人とのやり取り」が欠かせないからだと考えられます。
「将来性のある仕事」で、対人コミュニケーションが必要となる職種が多く挙がったことも、コミュニケーション能力が1位になった理由だと推測できます。
またITエンジニアもPCだけに向かっているわけではなく、システムを発注した顧客とやりとりをして顕在・潜在問わずニーズを引き出したうえで、システムに落とし込む必要がありますね。
AIやツールが進化しても、周囲と合意を形成するのは人の役割であることから、コミュニケーション能力は将来にわたって必要とされるスキルです。
2位 AIツールを使いこなす力
- 今の時代AIが進歩してきてるので、いち早く取り入れること(20代 男性)
- AIツールを使いこなして時間を有効に使えるかどうか(40代 女性)
- AIツールを理解して使いこなし、進化についていける能力(50代以上 男性)
2位は「AIツールを使いこなす力」でした。
AIを活用することで作業時間を短縮し、より付加価値の高い仕事に時間を使えるようになります。
さまざまな職種でAIの活用が進んでいるため、最先端ツールのひとつであるAIツールを使いこなす力は重要です。
「技術の進化に取り残されず、変化を味方につける働き方」を実践することが大事だとも言えます。
AIも含めて、「便利で新しいツールを、自分のものにできる」という柔軟性や対応力が必要だと考えられていることがわかりました。
3位 適応能力
- 職場の適応能力が必要だと思います(30代 男性)
- 新しい技術や価値観に対応する能力(40代 女性)
- どんな状況にも対応できる柔軟な適応能力(50代以上 男性)
3位は「適応能力」でした。
適応能力も、コミュニケーション能力同様、どんな職場・職種でも通用するポータブルスキルです。
適応能力が必要とされる理由としては、「働く環境」「価値観」「トレンドの技術」が絶えまない変化が挙げられます。
新しいツールの導入や組織の変化に直面したときに対応できないと、ビジネスから取り残されてしまったり、職場でお荷物扱いされてしまったりする可能性があります。
決まったやり方に固執せず、状況・環境に合わせて考え方や行動を調整できる力は、職種を問わず重要です。
変化を前向きに捉えられる姿勢があれば、将来性の高い職種や業務へのチャレンジもしやすいと考えられます。
4位 資格の取得
- 難関資格を取得する知識(20代 男性)
- 専門性の高いスキルが必要なので、勉強して国家資格を取る(40代 女性)
- 「看護」「介護」「リハビリ」などの仕事は資格を取得したり、高いコミュニケーション能力などが必要だと思います。医療技術も向上するので、日々勉強したり、資格を取得してスキルを上げ続ける必要があると感じています(50代以上 女性)
4位は「資格の取得」です。
「将来性の高い仕事」では、「看護師」「医師」「薬剤師」「保育士」など、資格がないとその職種として働けない医療・福祉関連の職種が多くランクインしました。
そのため「資格が必要」と考える人も多くなっています。
資格がないと、スタートラインに立てない仕事があるからですね。
また「より専門性の高い資格を取得しようと努力することにより、スキルや知識が向上する」というメリットについての意見もありました。
5位 勉強を続ける姿勢
- 腕を磨く努力(20代 女性)
- 日々勉強を続ける向上心(50代以上 男性)
- 自分をアップデートする能力。どんなに優秀で、素晴らしい知識や技術をもっていたとしても、知識や技術が古くなってしまっては役に立たなくなってしまいます。今の自分を過信せず、常に周りに注意して、必要なアップデートをしていくことが将来につながるのではないかと考えます(50代以上 女性)
「勉強を続ける姿勢」が5位でした。
「勉強を続ける姿勢」もポータブルスキルのひとつです。
勉強を続ける姿勢や「向上心」「自己研鑽」が重視されている理由としては、「知識やスキルがすぐに古くなってしまう時代であること」があります。
例えばプログラミング言語も、技術の進歩や開発分野の人気などによって、トレンドは変化します。
一度身につけた能力に頼るのではなく、常に自分をアップデートし続ける人ほど、環境の変化に柔軟に対応可能です。
アップデートすることで、「より将来性の高い分野」への挑戦可能性が広がることも考えられます。
同率5位 OAスキル
- パソコンを使う能力(20代 男性)
- どんな仕事でも対応できるための、基本的なパソコンスキル(30代 女性)
- パソコンのスキル。正確に素早く書類を仕上げられる(50代以上 女性)
もうひとつの5位は「OAスキル」でした。
OAスキルが挙げられた背景としては、多くの仕事において、パソコンを使う業務が存在するという現実があります。
基本的な操作を正確かつスピーディに行えることは、業務効率や信頼性に直結するため、資料作成やデータ管理といった基礎力があることで、どんな職場でも対応しやすくなります。
職種の将来性のあるなしに関わらず、仕事の土台として欠かせない実務スキルのひとつです。
また「AIによる代替や自動化を指示するための、基本的なスキル」とも言えます。
7位 マネジメントスキル
- 人の力を見抜き、力の活かし方を示せる監督力(20代 男性)
- ツールを使いこなす能力もですが、マネジメント力や営業も必要だと思います。AIを使いこなせても、それを生かす先を見つけられないのであれば、意味がないと私は考えてます(30代 男性)
- 事務所で働いて下さっている職員をまとめる能力。メンタルケアなども含みます(50代以上 女性)
7位は「マネジメントスキル」です。
マネジメントスキルとは、「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」といった経営資源を管理・活用する能力のことです。
複雑な意思決定や意見調整を行うスキルなので、AIなどによって代替・自動化されにくいことが特徴。
またITエンジニアやAIエンジニアといった将来の高い仕事は、変化の激しい環境にさらされています。
マネジメントスキルを磨くことで、組織や個人を変化に対応させるためのかじ取りを担う人材になれると期待できます。
将来性の高い仕事に就くだけではなく、さらにキャリアアップを目指すためのスキルです。
まとめ
「将来性の高い仕事」としては、医療・福祉系の仕事が多く挙がりました。
背景には「高齢化による需要の増加」や「AIでは代替しにくい、人に寄り添う仕事であること」への評価があると考えられます。
一方で、ITエンジニアやAIエンジニアなど、技術の進化を支える職種の将来性を評価する声も多く見られました。
なお将来性の高い仕事に就くためには、各職種の専門的なスキルはもちろんのこと、「コミュニケーション能力」「環境に適応し、学び続ける力」といったポータブルスキルも必要だと考えられています。
将来性の高い仕事は、発展途上で変化が大きかったり、職種自体は昔からあっても時代に合わせて変わっていく必要があったりします。
将来性の高い仕事で活躍するためには、「変化への対応」が重要だと考えられていることがわかりました。
